ケース・スタディのほとんどが成功事例の研究である。 ビジネスマンの大半がこれをありがたがっているが、成功事例から導かれる結論は必ずしも真実とは言い切れない。 これは断言できる。なぜなら、失敗事例を無視しているからだ。 これは、統計学で「選択バイアス」と呼ばれる現象である。 成功事例だけの研究で固められた調査などはその典型といえる。 しかし、特にマネジメントの失敗例を入手することは難しく、おのずと成功例ばかり見ることとなり、選択バイアスから逃れられない。 我々はまず疑わなければならない。事例を語る人々も、それはステレオタイプな線形思考からの脱却でもある。

【書誌情報】

※印刷は全てモノクロ印刷となります。

ページ数：8ページ

サイズ：A4

商品番号：DHBL-HB200507-006

登録日：2005/6/24

発行号：2005年7月

著者名：ジャーカー・デンレル　スタンフォード大学 経営大学院 助教授