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新興国市場の隠れたリスク

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その昔、政治制度が未成熟な新興国への投資においては、外国人所有の資産を没収する収用リスクが最も懸念されていた。この収用リスクはほぼゼロにまで減少したが、新興国は油断のならない規制による支配によって、外国企業のリターンを減らすことを企てている。これを「政策リスク」と呼び、メディアの報道件数を見る限り、大幅に増加している。企業側も法的な契約や保険、金融商品などを用いて、これら政策リスクのヘッジに努めている。しかし、鉄壁の契約を取り交わしても、社会情勢の変化や政権交代などにより、契約が無効になることもある。また保険や金融商品も十分とは言いがたい。ここで注目されるのは、別の観点からのリスク・マネジメントである。相手側の新興国の政策を味方につけたり、人脈を築いたりする手段のほか、さまざまな情報源からデータを得て、それを正確に分析する技術が役に立つ。データマイニングや自然言語解析ソフト、ゲーム理論に基づいた期待効用モデルなど、現代の技術を駆使することが、政策リスクの管理につながるのだ。

【書誌情報】

※印刷は全てモノクロ印刷となります。

ページ数:13ページ

サイズ:A4

商品番号:DHBL-HB201110-008

登録日:2011/9/26

発行号:2011年10月

著者名:ウィットルド・J・ヘニス ペンシルバニア大学 ウォートン・スクール 教授  ベネット・A・ゼルナー デューク大学 フュークワ・スクール・オブ・ビジネス 教授

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