悲劇に学ぶリーダーシップ
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企業が解決すべき課題の複雑さが増す中、高度な専門性を有する人材を時限的に集めて、プロジェクトベースで活動する組織が増えてきた。ただし、そのようなチームは結束力に乏しく、リーダーに対する信頼も厚いとはいえないため、予期せぬ事態や重大な危機に直面すると、瞬時に崩壊するリスクをはらんでいる。リーダーには意思決定(ディシジョンメイキング)そのものの正しさだけでなく、チームの置かれた状況を踏まえて納得して行動してもらうこと、すなわちセンスメイキングの実践が欠かせない。センスメイキング理論の提唱者であるカール・ワイクは、1949年に米国で発生した森林火災で、消火活動のために一時的に結成されたチームが崩壊し、最終的に13人もの犠牲者を出した「マン渓谷の悲劇」に着目した。そして、その研究成果は経営学のトップジャーナル『アドミニストレイティブ・サイエンス・クォータリー』に掲載された(注1)。本稿は、世界的作家のノーマン・マクリーンが同じくマン渓谷の悲劇をテーマに執筆した『マクリーンの渓谷』(注2)をもとに、ワイクが書評欄に寄せた論考である。しかし、前述の学術論文が原型となっているため、その内容は書籍の批評に留まらない。不確実な状況下でチームを導くリーダーにとって、センスメイキングを実践することの重要性が描かれており、貴重な教訓を得ることができる。
(注1)Karl E. Weick, “The Collapse of Sensemaking in Organizations: The Mann Gulch Disaster,”Administrative Science Quarterly , Vol.38, No.4,1993, pp.628-652. (注2)Norman Maclean, Young Men and Fire ,University of Chicago Press, 1992.(邦訳『マクリーンの渓谷』集英社、1997年)
【書誌情報】
※印刷は全てモノクロ印刷となります。
ページ数:8ページ
サイズ:A4
商品番号:DHBL-HB202610-002
登録日:2026/9/25
発行号:2026年10月
著者名:カール・ワイク ミシガン大学 ロススクール・オブ・ビジネス 名誉教授

